2022年12月3日 / 最終更新日時 : 2024年1月18日 wpchubu_adm 2022poster 霧ヶ峰高原における異なる条件下にある半自然草原群落の組成と構造 “霧ヶ峰高原における異なる条件下にある半自然草原群落の組成と構造” に対して9件のコメントがあります。 坂本真一 より: 2022年12月7日 3:09 PM刈り取り継続が外来種の増加をもたらすという視点はありませんでした。 興味深い研究、ありがとうございます。持続可能な利用を考えた時、かつての利用方法はどのようなものだったのでしょうか? 阿蘇の草原では、草刈りだけ続けていると、良い草が取れなくなるので、休ませ、火入れをするというサイクルをとっていました。阿蘇では、種組成の維持を直接の目的としているわけではないと思いますが、経験から得られた知見があったようです。霧ヶ峰についても過去にどのように使っていたかが気になります。 根岸星奈 より: 2022年12月12日 2:39 PMご質問ありがとうございます。 お返事が遅くなりすみません。信州大学総合理工学研究科の根岸です。1950年代、霧ヶ峰の山麓集落では稲作と養蚕が生業の中心で、農耕や運搬用に馬を飼育する家が多く、干し草のため、または稲田の厩肥のために採草利用をしていました。 火入れは毎年行っていたようです。その歴史は縄文時代までさかのぼり、どうして火入れを始めたのか、その理由は定かでありません。 干し草を利用しなくなった1960年代以降も観光資源として草地景観を保持するため一部地域で火入れが続けられてきましたが、2019年以降は住民の高齢化による安全確保の難しさから停止しています。 伝統的な火入れが停止した現在、その技術やノウハウの継承が心配され、早期の再開が望まれています。 田島尚 より: 2022年12月4日 1:21 PM興味深い発表ありがとうございました。 一つ質問させてください。刈り取りを継続した環境で外来種の出現頻度が高いとのことですが、 これは具体的にどのような理由がかんがえられますか?1つは光環境が改善され、先駆的な外来種がニッチを獲得しやすい という理由がありますが、作業の頻度が増えることでヒトが外来種の 種子等を持ち込みやすいというのも事実上あったりするのでしょうか? ご教授いただけたら幸いです。 根岸星奈 より: 2022年12月5日 11:29 PMご質問ありがとうございます。 信大院総合理工学研究科の根岸です。 ご提示されましたように、光環境による外来種のニッチの獲得がもっとも適当な理由と考えています。 作業頻度の増加=作業員の外来種の持ち込みが事実上にあるという確認はとれておりません。 作業をした環境が、観光などを含めた人の流入による持ち込み外来種の侵入定着を起こしやすい場所になったと言えると思います。 上原三知 より: 2022年12月4日 12:02 PM刈り取りによるメリットとデメリットの両方がおこることがわかりました。 推奨されるその場合は目的種のみを選別して刈り取りするということになりますでしょうか? 根岸星奈 より: 2022年12月5日 11:28 PMご質問ありがとうございます。 信大院総合理工学研究科の根岸です。 在来草原性種の保全を目的として刈り取り管理をするならば選別して刈り取ることで外来種の優占度を低下させることに一定の効果はあるとみられますが、光環境が良好な場所であれば外部から次々と侵入しますので、根本的な解決には至らないと考えています。 また、霧ヶ峰草原は広大ですので選択的刈り取りはマンパワーを考慮して一部のみしか行えないことを考えると、別の手段を考案することが求められそうです。 8年連続刈り取り区でのみ出現している種が多いことに関して、より細かく刈り取り条件を設定できればどのような刈り取りでどういった種が生育しやすいのか、わかるかもしれません。 本間政人 より: 2022年12月4日 11:02 AM大変興味深い発表ありがとうございました。 一点質問させてください。 8年連続刈り取り区ではスズランとヨツバヒヨドリがほとんど出現しておりませんが、刈取りによる影響と考えてよいでしょうか。 ご教示いただければ幸いです。 よろしくお願いいたします。 根岸星奈 より: 2022年12月5日 11:27 PMご質問ありがとうございます。 信大院総合理工学研究科の根岸です。 スズラン・ヨツバヒヨドリの優占度を先行研究(2020.大窪)と比較したところ、プロットごとの在・不在の変化はSA1でヨツバヒヨドリがいなくなったのみでした。 また、近年で刈り取りが行えてたプロットSA5-8(ポスターには細かく記載できていない情報です)で必ずしも優占度が低下しておらず、上昇する区も見られたことから、刈り取りにより出現しなくなったとは言い切れず、微地形の差でもとから生育していなかった可能性もあると考えます。 本間政人 より: 2022年12月8日 10:58 PMご回答いただきありがとうございました。 よく分かりました。 個々の種に注目していくことも面白そうですね。 これからも頑張ってください。コメントは受け付けていません。
刈り取り継続が外来種の増加をもたらすという視点はありませんでした。
興味深い研究、ありがとうございます。
持続可能な利用を考えた時、かつての利用方法はどのようなものだったのでしょうか?
阿蘇の草原では、草刈りだけ続けていると、良い草が取れなくなるので、休ませ、火入れをするというサイクルをとっていました。阿蘇では、種組成の維持を直接の目的としているわけではないと思いますが、経験から得られた知見があったようです。霧ヶ峰についても過去にどのように使っていたかが気になります。
ご質問ありがとうございます。
お返事が遅くなりすみません。信州大学総合理工学研究科の根岸です。
1950年代、霧ヶ峰の山麓集落では稲作と養蚕が生業の中心で、農耕や運搬用に馬を飼育する家が多く、干し草のため、または稲田の厩肥のために採草利用をしていました。
火入れは毎年行っていたようです。その歴史は縄文時代までさかのぼり、どうして火入れを始めたのか、その理由は定かでありません。
干し草を利用しなくなった1960年代以降も観光資源として草地景観を保持するため一部地域で火入れが続けられてきましたが、2019年以降は住民の高齢化による安全確保の難しさから停止しています。
伝統的な火入れが停止した現在、その技術やノウハウの継承が心配され、早期の再開が望まれています。
興味深い発表ありがとうございました。
一つ質問させてください。
刈り取りを継続した環境で外来種の出現頻度が高いとのことですが、
これは具体的にどのような理由がかんがえられますか?
1つは光環境が改善され、先駆的な外来種がニッチを獲得しやすい
という理由がありますが、作業の頻度が増えることでヒトが外来種の
種子等を持ち込みやすいというのも事実上あったりするのでしょうか?
ご教授いただけたら幸いです。
ご質問ありがとうございます。
信大院総合理工学研究科の根岸です。
ご提示されましたように、光環境による外来種のニッチの獲得がもっとも適当な理由と考えています。
作業頻度の増加=作業員の外来種の持ち込みが事実上にあるという確認はとれておりません。
作業をした環境が、観光などを含めた人の流入による持ち込み外来種の侵入定着を起こしやすい場所になったと言えると思います。
刈り取りによるメリットとデメリットの両方がおこることがわかりました。
推奨されるその場合は目的種のみを選別して刈り取りするということになりますでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
信大院総合理工学研究科の根岸です。
在来草原性種の保全を目的として刈り取り管理をするならば選別して刈り取ることで外来種の優占度を低下させることに一定の効果はあるとみられますが、光環境が良好な場所であれば外部から次々と侵入しますので、根本的な解決には至らないと考えています。
また、霧ヶ峰草原は広大ですので選択的刈り取りはマンパワーを考慮して一部のみしか行えないことを考えると、別の手段を考案することが求められそうです。
8年連続刈り取り区でのみ出現している種が多いことに関して、より細かく刈り取り条件を設定できればどのような刈り取りでどういった種が生育しやすいのか、わかるかもしれません。
大変興味深い発表ありがとうございました。
一点質問させてください。
8年連続刈り取り区ではスズランとヨツバヒヨドリがほとんど出現しておりませんが、刈取りによる影響と考えてよいでしょうか。
ご教示いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
ご質問ありがとうございます。
信大院総合理工学研究科の根岸です。
スズラン・ヨツバヒヨドリの優占度を先行研究(2020.大窪)と比較したところ、プロットごとの在・不在の変化はSA1でヨツバヒヨドリがいなくなったのみでした。
また、近年で刈り取りが行えてたプロットSA5-8(ポスターには細かく記載できていない情報です)で必ずしも優占度が低下しておらず、上昇する区も見られたことから、刈り取りにより出現しなくなったとは言い切れず、微地形の差でもとから生育していなかった可能性もあると考えます。
ご回答いただきありがとうございました。
よく分かりました。
個々の種に注目していくことも面白そうですね。
これからも頑張ってください。