2020年11月3日 / 最終更新日時 : 2020年11月4日 wpchubu_adm 2020年度支部大会 長野県上伊那地域の水路網における水生植物の分布の経年変化と現状高澤隆仁・大窪久美子 “長野県上伊那地域の水路網における水生植物の分布の経年変化と現状” に対して13件のコメントがあります。 加藤久樹 より: 2020年11月9日 4:55 PM水生植物の保全具体的にどのような方法をとるのでしょうか。また、陸生植物の保全の方法との違いがあれば教えていただきたいです。返信 高澤隆仁(信大農・発表者) より: 2020年11月10日 8:48 AM本研究で注目した農業用・排水路や小河川などは農業など人々の生業と密接に関係した二次的自然になります。 二次的自然は人々の管理によって維持されるものであり、継続的な保全を行っていくためには重要な観点になると思われます。また、近年、水路のコンクリート化が進み、水生植物の生息地が減少していることも大きな課題です。 それぞれの管理団体に話を聞くと、「お金が付き次第コンクリートにしたい」と考えている団体も多く、そうした方達にどのように保全の重要性を理解していただくかも大切なことだと思われます。返信 佐藤由美 より: 2020年11月8日 3:12 PM結果の分布の変化で新たに出現した種でヤナギモ、フサモが出現しているのですが、出現できるようになった背景として土地利用の変化といった環境変化があったりしたんでしょうか。返信 高澤隆仁(信大農・発表者) より: 2020年11月8日 5:03 PMご質問ありがとうございます。 新たに出現した要因に関しては現状では判断できておりません。 しかし、ヤナギモ、フサモともにレッドリストの掲載種であり、減少傾向にある種です。 水路環境の何らかの改善があった可能性も考えられます。また、本研究では水生植物の分布の変化は地域レベルといった大きなスケールで起きていることが示唆されました。 種の消失・出現に関しては、地域内での大きな分布の変化の中で偶然確認されなかった、または確認された可能性も考えられます。今後、立地環境条件や水路管理との関係を分析し、これらの種の出現要因や保全策を検討していきたいと考えています。返信 山下将司(信州大学) より: 2020年11月8日 12:33 PM保全策に関する地域レベルでの議論とは具体的にはどういった内容のものになるのでしょうか。 また、議論を行う際の参加者はどういった人を考えられているか教えていただきたいです。返信 高澤隆仁(信大農・発表者) より: 2020年11月8日 4:16 PMご質問ありがとうございます。 外来種への対策、保全区の設置状況や現状などに関する議論が考えられます。 各地区の取り組みを把握し、上伊那地域内で多様な環境づくりを進めていくことが水生植物の保全には必要であると考えています。 本研究では稀少な種が一つの群落型に固まることはなく、比較的多くの群落型に分かれました。 このことからも多様な環境づくりの重要性が伺えます。また、水路を含む農村環境の保全に関して、農林水産省の多面的機能交付金を利用する地域団体が数多く存在します。 これらの団体の目的は必ずしも生物の保全では無いものの保全区を設定し維持している団体もございます。 地域レベルでのリーダー会や報告会を行うことで相互の情報交換や協力が可能になるのではないかと思います。 上記のことは地域レベルでの議論の一例ではありますが、それぞれの地区の現状を知る人々による議論が望ましいと思います。返信 長谷川泰洋(名産大) より: 2020年11月7日 4:47 PM教えて頂けると幸いです。 ①TWINSPAN解析で用いたデータは、出現回数4回以上の種の被度の平均値でしょうか、合計値でしょうか。 ②湿性・陸生種がかなり増加したということですが、それらはA~Hの特定の場所で増加していることはないでしょうか。また、その影響と消失した種、出現した種との関係はないでしょうか。返信 高澤隆仁(信大農・発表者) より: 2020年11月7日 7:21 PMご質問ありがとうございます。 ①TWINSPAN解析には植生のみられた323区画中4区画以上で確認のできた種の被度を使用しました。「出現回数」と紛らわしい書き方をしてしまいましたが、調査回数はそれぞれ1回になります。複数回調査を実施し、平均または合計したという訳ではございません。 ②増加した湿生・陸生植物の種数は地区によって1~17種と違いがございます。表1に各地区の相観的な特性を示しましたが、実際は様々な環境が含まれます。そうした小規模な環境の有無によって種数の差が生じたと考えられます。また、各地域の水路管理(井浚い、休耕期の通水の有無)等による影響も考えられ、今後水路管理の実態や各調査区画の立地環境条件などを用い分析していきたいと考えています。 また、水生植物種の消失または新たに出現についてですが、水路管理や各区画の立地環境条件など湿生・陸生植物の種数の増加と共通する要因が考えられます。そうした要因と水生植物の消失・新たな出現との関係についても、今後分析していきたいと考えています。返信 長谷川泰洋(名産大) より: 2020年11月8日 1:00 PMご返信をありがとうございます。 度々で申し訳ありません。①について、4区画以上のそれぞれの区画で被度が出ているのではないでしょうか。 それをどのように扱ったのかを教えて頂けると幸いです。返信 高澤隆仁(信大農・発表者) より: 2020年11月8日 5:35 PMご質問ありがとうございます。 それぞれの区画での出現種の被度を用い、323区画を出現パターンの類似性から10群落型に分類しました。 それぞれの区画の被度を別の区画のものと合計したり平均したりはしておりません。言葉が拙く申し訳ありません。 よろしくお願いします。返信 中田小春 より: 2020年11月7日 2:13 PM2010年のデータと比較して10年後の2020年に調査を行なっているとのことですが、水生植物相の経年変化を知る調査では適切な間隔はどのくらいなのか教えていただけると幸いです。返信 高澤隆仁(信大農・発表者) より: 2020年11月7日 4:12 PMご質問ありがとうございます。 経年変化を知るためには継続的な調査を毎年行うことが理想的です。 本研究では2010年の調査結果と比較することで稀少な水生植物・外来水生植物ともに地区間で分布の移動があることが示唆されました。 しかし、その一方で分布がどのように変遷しているのか、また年変動がどの程度あるのかといったことは確認することができません。 今後繰り返し調査を行うことで、様々な要因を踏まえた全体的な分布の変化を解明し、上伊那地域の水生植物の保全策を提案していきたいと考えています。返信 wpchubu_adm より: 2020年11月3日 11:04 AM氏名と所属を記入の上、コメントしてください。返信コメントを残す コメントをキャンセルメールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目ですコメント ※名前 ※ メール ※ サイト 次回のコメントで使用するためブラウザーに自分の名前、メールアドレス、サイトを保存する。 Δ
水生植物の保全具体的にどのような方法をとるのでしょうか。また、陸生植物の保全の方法との違いがあれば教えていただきたいです。
本研究で注目した農業用・排水路や小河川などは農業など人々の生業と密接に関係した二次的自然になります。
二次的自然は人々の管理によって維持されるものであり、継続的な保全を行っていくためには重要な観点になると思われます。
また、近年、水路のコンクリート化が進み、水生植物の生息地が減少していることも大きな課題です。
それぞれの管理団体に話を聞くと、「お金が付き次第コンクリートにしたい」と考えている団体も多く、そうした方達にどのように保全の重要性を理解していただくかも大切なことだと思われます。
結果の分布の変化で新たに出現した種でヤナギモ、フサモが出現しているのですが、出現できるようになった背景として土地利用の変化といった環境変化があったりしたんでしょうか。
ご質問ありがとうございます。
新たに出現した要因に関しては現状では判断できておりません。
しかし、ヤナギモ、フサモともにレッドリストの掲載種であり、減少傾向にある種です。
水路環境の何らかの改善があった可能性も考えられます。
また、本研究では水生植物の分布の変化は地域レベルといった大きなスケールで起きていることが示唆されました。
種の消失・出現に関しては、地域内での大きな分布の変化の中で偶然確認されなかった、または確認された可能性も考えられます。
今後、立地環境条件や水路管理との関係を分析し、これらの種の出現要因や保全策を検討していきたいと考えています。
保全策に関する地域レベルでの議論とは具体的にはどういった内容のものになるのでしょうか。
また、議論を行う際の参加者はどういった人を考えられているか教えていただきたいです。
ご質問ありがとうございます。
外来種への対策、保全区の設置状況や現状などに関する議論が考えられます。
各地区の取り組みを把握し、上伊那地域内で多様な環境づくりを進めていくことが水生植物の保全には必要であると考えています。
本研究では稀少な種が一つの群落型に固まることはなく、比較的多くの群落型に分かれました。
このことからも多様な環境づくりの重要性が伺えます。
また、水路を含む農村環境の保全に関して、農林水産省の多面的機能交付金を利用する地域団体が数多く存在します。
これらの団体の目的は必ずしも生物の保全では無いものの保全区を設定し維持している団体もございます。
地域レベルでのリーダー会や報告会を行うことで相互の情報交換や協力が可能になるのではないかと思います。
上記のことは地域レベルでの議論の一例ではありますが、それぞれの地区の現状を知る人々による議論が望ましいと思います。
教えて頂けると幸いです。
①TWINSPAN解析で用いたデータは、出現回数4回以上の種の被度の平均値でしょうか、合計値でしょうか。
②湿性・陸生種がかなり増加したということですが、それらはA~Hの特定の場所で増加していることはないでしょうか。また、その影響と消失した種、出現した種との関係はないでしょうか。
ご質問ありがとうございます。
①TWINSPAN解析には植生のみられた323区画中4区画以上で確認のできた種の被度を使用しました。「出現回数」と紛らわしい書き方をしてしまいましたが、調査回数はそれぞれ1回になります。複数回調査を実施し、平均または合計したという訳ではございません。
②増加した湿生・陸生植物の種数は地区によって1~17種と違いがございます。表1に各地区の相観的な特性を示しましたが、実際は様々な環境が含まれます。そうした小規模な環境の有無によって種数の差が生じたと考えられます。また、各地域の水路管理(井浚い、休耕期の通水の有無)等による影響も考えられ、今後水路管理の実態や各調査区画の立地環境条件などを用い分析していきたいと考えています。
また、水生植物種の消失または新たに出現についてですが、水路管理や各区画の立地環境条件など湿生・陸生植物の種数の増加と共通する要因が考えられます。そうした要因と水生植物の消失・新たな出現との関係についても、今後分析していきたいと考えています。
ご返信をありがとうございます。
度々で申し訳ありません。①について、4区画以上のそれぞれの区画で被度が出ているのではないでしょうか。
それをどのように扱ったのかを教えて頂けると幸いです。
ご質問ありがとうございます。
それぞれの区画での出現種の被度を用い、323区画を出現パターンの類似性から10群落型に分類しました。
それぞれの区画の被度を別の区画のものと合計したり平均したりはしておりません。
言葉が拙く申し訳ありません。
よろしくお願いします。
2010年のデータと比較して10年後の2020年に調査を行なっているとのことですが、水生植物相の経年変化を知る調査では適切な間隔はどのくらいなのか教えていただけると幸いです。
ご質問ありがとうございます。
経年変化を知るためには継続的な調査を毎年行うことが理想的です。
本研究では2010年の調査結果と比較することで稀少な水生植物・外来水生植物ともに地区間で分布の移動があることが示唆されました。
しかし、その一方で分布がどのように変遷しているのか、また年変動がどの程度あるのかといったことは確認することができません。
今後繰り返し調査を行うことで、様々な要因を踏まえた全体的な分布の変化を解明し、上伊那地域の水生植物の保全策を提案していきたいと考えています。
氏名と所属を記入の上、コメントしてください。